名古屋はええよ!やっとかめ


楽曲が完成した時点で、「鶴舞公園」をどう歌唱してもらうか迷っていた。登録されている読み方

は「つるまこうえん」なのだが、地元名古屋の人たちは「つるまい」と発声している。作者の友人

も親戚も、仕事の関係者も。録音当日、つぼイノリオさんと東芝EMIの担当ディレクター原澤氏と、

スタジオ調整室で相談。ほんでも名古屋の人が「つるまい」いうもんでそいでいこみゃー、となり

「つるまいこうえんにあつまってよ」に決定。1985年に発売後、インターネットの時代が到来し、

この部分についての関連文があると聞いて、再度、名古屋のみんな、に尋ねたところ、みなさんが

「つるまいだがね」とおっしゃる。なのでいつまでも「つるまいこうえん」です。しかし、なんで

「つるま」としているのか、よくよく考えてみたところ、ある一つの仮定が浮かんできた。

まず、元々は「つるまい」であるのだが、名古屋人は、その発音形態の特徴で、つい「つるみゃー」

と言ってしまう。そこで思い出した。鈴置がよく「まーくん、いこみゃー」というのだが、私の耳

には「いこみゃ」と聞こえる。つまり、語尾をーがつくほど伸ばさないのだ。そこで「つるみゃー」

も、「つるみゃ」と聞こえ(実はそう言っているのかも)、それが「つるま」になったのではなか

ろうか。

元々「つるまい」→名古屋弁で転じて「つるみゃー」→語尾が消えて「つるみゃ」→ 一般人の耳に

は「つるま」→名古屋の人々が戻して「つるまい」=言葉の先祖返り?

ちなみに、名古屋弁をよーく聞いていると、「みゃー」は、実は「めぁ」と言っている気がする。

鈴置の他に、名古屋出身の声優さん、名古屋育ちの友人、にそれを確かめたところ、

「そうそう、めぁ、いこめぁ、と発音した方が、ほんとの名古屋弁らしいがね」、と答えた。

ところで、

この楽曲の最初、1行目、「東京はまああかんーー」のあとの詞について、山本は予言者だ、とい

われたが、これは某成人映画監督が口癖にしていた流行語を参考にしただけのものである。

今の世界のこんな事、予言などするはずもない。こんな事、私の作品中のどこにも入れるものか。

清く、力強く、愛と勇気のある歌が、山本正之の歌だ。